募集校数と共学化
平成29年度の都内私立高校入試では、麹町学園女子が高校募集を再開したため、外部募集校は183校になりました。
芝浦工業大学附属が江東区豊洲に移転し男女共学に、新渡戸文化も女子から共学に変更しています。都内私立校183校のうち、共学校は111校、男子校は21校、女子校は51校となっており、男子校や女子校から共学に変更する高校が増えています。
私立高校
学習院、巣鴨、開成、慶應義塾女子、豊島岡女子学園、江戸川女子など難関の男子校女子校の多くは応募減、または実質倍率ダウンが目立ちました。
共学の進学校では東洋の特選クラスの併願応募者が244人から402人へと大幅増、駒込も推薦Ⅱの応募者が約100人増加して332人、新設コースの理系先進コースには男子42人、女子12人の応募が集まりました。錦城学園は推薦入試の応募者が増加、一般入試は前年度並みの422人になりました。大森学園は進学コースに3科の内申基準を、普通コースに5科の内申基準の選択肢を追加しましたが、普通科全体の応募者は約50人の微減になっています。淑徳巣鴨は慶応、早稲田、上智など最難関私立大学への進学を目指すプレミアムクラスを新設しました。このクラスに推薦で35人、一般では201人の応募者が集まり高い人気を示しました。アルティメットクラスはその影響で応募者が減少しましたが、そのほかのクラスは前年度並みなので安定した入試が続いているといっていいでしょう。京華はS特進と進学の応募者が減少傾向で、都立北園や文京が併願校になる特進は前年度並みの応募者数になりました。足立学園は推薦入試の応募者が普通科、文理科ともに減少しましたが、一般入試では前年度並みの応募者数となっています。H30年度より文理科を募集停止し普通科にコース制を導入するということです。共栄学園の応募者数は進学コースが前年度の526人から442人、特進コースは418人から194人となり大幅に減少しました。ただし、合格者の平均偏差値は進学コースでは48.8から46.6と下がっていますが、特進コースは55.1から55.2とほとんど変わっていません。関東一高はH27年度入試の時に、進学Gコース併願優遇の内申基準を5科15に下げたことで応募者数が1618人と大幅な増加になりましたが、H28年度入試から再び5科16に戻したため、応募者数もH28年度1131人、H29年度1126人と落ち着いています。さらにH29年度入試では進学Aの定員を210人から168人に減らし、かわりに進学Gの定員を205人から250人に増やしたため、だいぶ緩やかな入試になりました。
難関共学校の大学附属校を見てみると、青山学院の一般入試では男子12人増の343人、女子26人増の510人とそれぞれ微増で留まりましたが、合格者を絞ったため実質倍率は男子2.96倍から3.70倍、女子3.17倍から5.68倍へとそれぞれアップ、特に女子は激戦になりました。明治大学付属明治の一般入試は男子が181人増で456人、女子は55人増で355人と大幅に増加、中央大学附属の男子は104人23.9%減となりましたが女子は18人7.0%の減で留まり、中央大学杉並も男子は49人9.2%の減で女子は13人4.3%の微増、中央大学も男子46人14.8%の減で女子は前年度と同数、早稲田実業も男子が336人33.7%と大幅に減少した一方で女子は59人15.6%増加しました。男子の実質倍率は2.89倍で、2倍台は7年ぶりです。
国立大附属高校
東工大科学技術を除く国立大附属校4校合わせた志望者数は1794人で前年度より280人減って、H26年度から続いた増加傾向に歯止めがかかりました。しかも男子の応募減が目立っています。
筑波大附属の男子の応募者数は前年度より72人少ない355人で実質倍率は3.48倍、同校男子の実質倍率が3倍台まで下がったのはこの10年間ではありません。東工大科学技術では一般入試の入学手続き説明会を公立高の入試日に合わせ、強い志望をもった受験生の入試へと切り替えました。その結果、応募者が前年度の741人から518人へと大幅に減りました。